Kindleでエラゴンをすべて読み終えると、関連おすすめ書籍に登場するようになった。最初は、作者は日本人であることから、「日本人のファンタジーは世界観がどうしても窮屈である」との思い込みから、読む気になれなかったのだが、KindleUnlimitedで無料であったので気軽に読んでみようと思ってダウンロードしたのであった。
とても面白かった。前言撤回。
エラゴンを読んだ後に読んだのもこれまた世界観の違いが際立って面白かった。
面白いと感じたところを記していきたい。
※ネタばれしないけど内容には少し触れるので注意
まず、竜の規模がとても大きい。エラゴンでは人が乗って戦えるサイズの竜だったため、現実的に言うと大き目の象やクジラぐらいだと思うのだけれど、本書における「竜」にとっての「人間」は「人間」にとっての「蟻」くらいだというのだから、現実でいう東京ドームくらいはあると思われる。続編まで読んだが、おそらく間違っていないサイズ感覚だと思われる。
二つ目に、この話はファンタジーでありながら、とても親近感を覚えるような世界観がある。特に、竜の病気は、現実の人間の病気と同じものを面白く描写している。それもその筈、筆者は医者なのだそうだ(ペンネームは二人の人物であり、ひとりはカメラマン、もう一人が医師とのこと)。自分も医者であるからにして、とても面白かった。かといって、専門的すぎることは決してないので、万人にもおすすめできる本であった。
展開は波乱ありながらも、医療という安心を提供する仕事からの落ち着きのようなものがあって、非常に読みやすかった。
さて、先程も書いたが、続編があるのである。
こちらはKindleUnlimitedにはない。
つまり即購入したのであった。もちろん後悔などない。本にお金をかけなくして、どこにお金をかけるというのだ。といいたいとこだが、節約しなければならない我が家の財政状況である。そんな話はおいておこう。
2作目に入り、内容はとても深くなる。医療に関しても、より「深み」に触れてくる。
英語タイトルが、Dragon Killerになっていて最初から目を引いてくれます。
医師としての感想かもしれないが、2作目は本当に素晴らしい内容だと思った。安楽死や、移植医療、インフォームドコンセントといった、現実の医療界でも大きく問題を孕むところをファンタジーとして違和感なく表現していた。患者側の表現、医療者側の表現、どちらの立場からも適切に納得されるのは、作者が二人いる強みかもしれない。
そして、もう一つ思ったこと。
「バッキングさせてごめんなさい、、、、、」
鎮静って難しいよね。同じ麻酔科医として思いました。
以上「竜の医師団」の感想でした。医者でも、そうでなくても楽しく読める。
「対峙せよ、されば開かれん」
この言葉を胸に、自分もお仕事頑張ろうと思える。そんな元気の出る本でした。
3作目出るのかな?楽しみだな。また、庵野 ゆき氏の他作品、「水使いの森」もKindleUnlimitedで無料になっていた。読まなければ。続編も。購入しなければ。
いつか私の子供たちも、本を読んでくれることを祈って。
2024年12月30日